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2000年に*CMWC(サイクル・メッセンジャー・ワールド・チャンピオンシップス)へ参加した際に横浜や京都のメッセンジャーも参加していて、その時初めて交流が持てた事で「東京で独立しなくてどうする?」という気持ちが強くなった。CMWC参戦中はブルックリンに住む現地のメッセンジャーの家にステイさせてもらっていたので、そのライフスタイルをリアルに感じる事が出来た。「これが本当のメッセンジャーという生き方なんだ」と強烈なカルチャーショックと共に「自分もこんな生き方がしてみたい」と強く思うようになった。帰国してからは、もうバイク便のやり方で仕事をするなんて馬鹿らしく思えちゃって「独立するなら今しかない!」と決心した。
*Cycle Messenger World Championshipsの略。年に一度世界の都市で行われるメッセンジャーの世界大会。
開業準備の段階から続いているメッセンジャーはSINOだけ。実はSINOにサイクレックスの立ち上げ話をした直後に彼は単独転倒して鎖骨を骨折してしまったんです。最初は戦力外だと思っていたけど、骨折しているにも関わらず飛び込み営業をがんばってくれたので、それが件数増加に大きく影響した。彼は自分が営業した会社から頂いたオーダーは骨折していても意地でデリバリーしてましたから、そういう姿勢を見て「俺は絶対にあきらめてはいけない!」と強く思った。彼なしに今日のCyclexは有り得ないと思ってます。
早さという点ではW/Rushという必殺技みたいなサービスが有ります。「これこそバイシクルメッセンジャーだ!」という全身全霊で届けるサービスですが、これは間違いなく東京最速です。「Cyclexは速い!」と言われるのはこれがあるからでしょう。それ以外でサービスにおいて気を付けている事は、お客様をお呼びする時は「会社名」ではなく担当者様の「苗字」で呼べる様にする事。そしてお客様からはメッセンジャーネームで呼んでもらえる事。これは出来そうでなかなか出来る事ではありません。他社との最大の違いは、お客様との信頼関係だと思います。
海外といってもアメリカの環境しか知らないけど・・・・マンハッタン、フィラデルフィア、サンフランシスコぐらい。アメリカはテロ以降随分と状況が変わったと聞きます。セキュリティ強化の為に直接手渡しで届ける事が難しくなった。セキュリティセンターからセキュリティセンターへ届けるだけではチップも貰えないし、張り合いも無い。そのせいかメッセンジャーの人口は急速に減少しているようです。残念ながら東京もだんだんとそうなって来ています。もうこれ以上東京のメッセンジャーが増える事はないと思いますが、バイク便が自転車便を兼業するケースが増えてきているので、そういった意味ではまだ増えるのかもしれません。
NYCは冬になれば-10℃は普通だし、東京は環境的には最も快適で賃金も高いので一番恵まれていると思います。サンフランシスコの気候は東京よりも穏やかだけど仕事が少なすぎるようです。もし日本の公用語が英語だったら海外のメッセンジャーが流れ込んでくるでしょう。実際、東京で働きたいという話は頻繁にあります。
日本のメッセンジャーはよく「うちの会社はさぁ」と言うけど、NYCのメッセンジャー達には「うちの会社」という概念は無い。独立した個人という契約関係が明確になっているからか、会社に依存するという意識が全くと言っていいほど無い。所属する会社に依存するのではなく、自分のメッセンジャーとしてのスキルを評価してくれる会社に移籍するのは当たり前という感じ。プロの運び屋として自分の意志で生きているっていう顔して走っているので頼もしいね。
その辺に関して東京はまだまだ幼稚なのかも知れません。でも、「うちの会社」と思えるのは素晴らしい事だと思う。出来れば愚痴る時ではなく、誇る時にそれを言えれば最高です。
いずれにせよ、「自由の国アメリカ」と「和を尊ぶ日本」というお国柄がそのまま出ているのではないでしょうか?
封筒を1km先に届けるのにバイクで届ける必要があるのでしょうか?速いから、安いから自転車便ではなく、環境への配慮という点でメッセンジャーを使うという選択をしていただければありがたいです。それには我々の様な自転車のみでやっているメッセンジャーサービスの会社ががんばらなければなりません。バイク便の資本下でやっていたのでは意味がないのです。なぜ自転車で届けるのか?その意味をもう一度考え、理解した上でメッセンジャーをやるべきです。それらが整理されてからが本当の部分での日本のメッセンジャーカルチャーの創世記になるでしょう。単なる労働者意識のまま自転車で配達する人が何百人増えようがカルチャーにはなりません。
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01.
有限会社サイクレックス http://www.cyclex.jp/
Interview by messengerbag.jp Photo by Jun from messengerbag.jp
取材日:2007年12月13日 (雨)
日本におけるフリーメッセンジャーを配したスタイルのメッセンジャー会社の草分け的存在である「Cyclex」。
代表の木村氏は本場のメッセンジャーカルチャーにじかに触れた後、東京でメッセンジャー会社「Cyclex」を設立。並行してオリジナルのメッセンジャーバッグブランド「RESISTANT」を率いている。その木村氏に話しをうかがった。
2000年に*CMWC(サイクル・メッセンジャー・ワールド・チャンピオンシップス)へ参加した際に横浜や京都のメッセンジャーも参加していて、その時初めて交流が持てた事で「東京で独立しなくてどうする?」という気持ちが強くなった。CMWC参戦中はブルックリンに住む現地のメッセンジャーの家にステイさせてもらっていたので、そのライフスタイルをリアルに感じる事が出来た。「これが本当のメッセンジャーという生き方なんだ」と強烈なカルチャーショックと共に「自分もこんな生き方がしてみたい」と強く思うようになった。帰国してからは、もうバイク便のやり方で仕事をするなんて馬鹿らしく思えちゃって「独立するなら今しかない!」と決心した。
*Cycle Messenger World Championshipsの略。年に一度世界の都市で行われるメッセンジャーの世界大会。
開業準備の段階から続いているメッセンジャーはSINOだけ。実はSINOにサイクレックスの立ち上げ話をした直後に彼は単独転倒して鎖骨を骨折してしまったんです。最初は戦力外だと思っていたけど、骨折しているにも関わらず飛び込み営業をがんばってくれたので、それが件数増加に大きく影響した。彼は自分が営業した会社から頂いたオーダーは骨折していても意地でデリバリーしてましたから、そういう姿勢を見て「俺は絶対にあきらめてはいけない!」と強く思った。彼なしに今日のCyclexは有り得ないと思ってます。
早さという点ではW/Rushという必殺技みたいなサービスが有ります。「これこそバイシクルメッセンジャーだ!」という全身全霊で届けるサービスですが、これは間違いなく東京最速です。「Cyclexは速い!」と言われるのはこれがあるからでしょう。それ以外でサービスにおいて気を付けている事は、お客様をお呼びする時は「会社名」ではなく担当者様の「苗字」で呼べる様にする事。そしてお客様からはメッセンジャーネームで呼んでもらえる事。これは出来そうでなかなか出来る事ではありません。他社との最大の違いは、お客様との信頼関係だと思います。
海外といってもアメリカの環境しか知らないけど・・・・マンハッタン、フィラデルフィア、サンフランシスコぐらい。アメリカはテロ以降随分と状況が変わったと聞きます。セキュリティ強化の為に直接手渡しで届ける事が難しくなった。セキュリティセンターからセキュリティセンターへ届けるだけではチップも貰えないし、張り合いも無い。そのせいかメッセンジャーの人口は急速に減少しているようです。残念ながら東京もだんだんとそうなって来ています。もうこれ以上東京のメッセンジャーが増える事はないと思いますが、バイク便が自転車便を兼業するケースが増えてきているので、そういった意味ではまだ増えるのかもしれません。
NYCは冬になれば-10℃は普通だし、東京は環境的には最も快適で賃金も高いので一番恵まれていると思います。サンフランシスコの気候は東京よりも穏やかだけど仕事が少なすぎるようです。もし日本の公用語が英語だったら海外のメッセンジャーが流れ込んでくるでしょう。実際、東京で働きたいという話は頻繁にあります。
日本のメッセンジャーはよく「うちの会社はさぁ」と言うけど、NYCのメッセンジャー達には「うちの会社」という概念は無い。独立した個人という契約関係が明確になっているからか、会社に依存するという意識が全くと言っていいほど無い。所属する会社に依存するのではなく、自分のメッセンジャーとしてのスキルを評価してくれる会社に移籍するのは当たり前という感じ。プロの運び屋として自分の意志で生きているっていう顔して走っているので頼もしいね。
その辺に関して東京はまだまだ幼稚なのかも知れません。でも、「うちの会社」と思えるのは素晴らしい事だと思う。出来れば愚痴る時ではなく、誇る時にそれを言えれば最高です。
いずれにせよ、「自由の国アメリカ」と「和を尊ぶ日本」というお国柄がそのまま出ているのではないでしょうか?
封筒を1km先に届けるのにバイクで届ける必要があるのでしょうか?速いから、安いから自転車便ではなく、環境への配慮という点でメッセンジャーを使うという選択をしていただければありがたいです。それには我々の様な自転車のみでやっているメッセンジャーサービスの会社ががんばらなければなりません。バイク便の資本下でやっていたのでは意味がないのです。なぜ自転車で届けるのか?その意味をもう一度考え、理解した上でメッセンジャーをやるべきです。それらが整理されてからが本当の部分での日本のメッセンジャーカルチャーの創世記になるでしょう。単なる労働者意識のまま自転車で配達する人が何百人増えようがカルチャーにはなりません。
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