Tamas
Bagaboo bags : 左:ANDREA 生産管理担当(Tamas氏の妹)、右:TAMAS TUHEGYI
14.Bagaboo bags
バガブーバッグ
http://bagaboo.hu/

Interview by messengerbag.jp
取材日:2009年12月01日
ブタペストでメッセンジャーをしていたTAMASが2005年11月に立ち上げたブランドBagaboo Bags。
自身の経験を元にあみ出されるバッグは機能性はもちろんのことタフさと美しさを兼ねそろえ、日本でもファンは多い。
カスタムのクオリティはぐんを抜いている。
ハンドメイドに拘るTAMAS氏に話を伺った。
― まずはメッセンジャーを始めたきっかけを聞かせて下さい
学生の頃、IT(インフォメーションテクノロジー)を勉強していました。で最後の学期の時に、ブダペスト(ハンガリーの首都)へ引っ越して、仕事を見つける必要が出てきまして。常に自転車に乗るのが好きで、バイクメッセンジャーとして働くのが自分に合っていると思いました。単位をとるまで、1日に4時間働きました。 その後、フルタイム(8時間)でメッセンジャーをやり始めました。
― メッセンジャーバッグを作り始めたきっかけは?
Bagaboo_02
メッセンジャー時代のTamas
メッセンジャー業務を始めたとき、いいバッグがないか探してたんですよね。たまたま私の母は裁縫職だったので、自宅にいくつかミシンあったんですよ。
であればとバックル、材料、ストラップ、等を探して、メッセンジャーバッグメーカーのウェブサイトなどもいろいろと調べました。それから自宅のミシンを使って最初のメッセンジャーバッグを作り上げました。2つ目は私のバッグをすごく気に入ってくれてた同級生に作ってあげました。
そうだなぁ。バッグを作り始めた理由としては、斬新なもので本当にユニークなバッグが欲しかったってことかな。

― バッグを作るにあたって、影響を受けたバッグ又は人物はありますか?

私はメッセンジャーバッグが非常に好きでした。固定ギアバイクのように、バッグはメッセンジャー人生の一部なんですよ。非常に快適で、タフでなければらなず、その他いろいろな機能性を1つに詰め込まれた、メッセンジャーという特別な仕事のために作られたバッグを持つという事(アイデア)が私は大好きでしたね。
最初のものを設計する前に、有名なブランドのウェブサイト(Chrome、Pac Designs、Timbuk2)をチェックしていました。でも我々がワルシャワのECMC2004へ行くまでは、実物を全く見た事がなかったんですが。

― ブランド名であるbagabooの由来は?
“BAGABOO”は造語です。英語では”BUGABOO”とはゴーストの意味を持っています。そこから”U”を”A”に1字変更して”BAGABOO”としました。 “BAG”という言葉を入れることで我々がバッグメーカーであるという意味を含んでいます。
Bagaboo_03Bagaboo_04
― 縫製や刺繍が非常に綺麗ですがどのような体制で作られているのですか?また何かハンドメイドへの拘りなどありますか?
Bagaboo_05.jpg
我々は、刺繍作業2つの技術を使用します。小さく詳細なデザインであるとき、デザインを作るために刺繍機械を使います。大きいパーツはデザインを描いて、コーデュラ(素材)をカットします。それからバッグに縫い付けていきます。
これは、アップリケ(縫い付け飾り・はめ細工)というテクニックです。
バッグを縫うためには、我々は厚い素材を縫うために設計されたJUKI(日本の工業用ミシンメーカー)やDurkopp Adler(ドイツの工業用ミシンメーカー)のミシンを使います。これって上質を意味すると思います。

― 他のメッセンジャーバッグブランドとの違いは?

我々はちょっと不思議なポジションですよね。ハンガリー(ヨーロッパ)で作っていますからね。大部分のメッセンジャーバッグメーカーは、アメリカですよね。BagjackとBagabooだけが会社として唯一ヨーロッパメーカーですよね。我々は小さなメーカーですがこれを変えたくはありません。大量生産はできないけれど、何色からも選べたりいくつものオプションがあったり、とBagabooのバッグをスーパーカスタマイズできるようにしています。Bagabooはこのやり方がいいと皆にそう思ってもらえると嬉しいです。

― バッグを制作する上で、メッセンジャーならではの利点はありますか?また、それはどういった部分に反映されているのでしょうか?

前職がメッセンジャーだったので、どんな機能、特徴、ポケット、ストラップが良いか、機能的なメッセンジャーバッグの上で必要か、私が正確にわかっていること。また、我々は常にユーザーの提案やフィードバックを聞いています。

― ハンガリーの自転車(メッセンジャー)カルチャーはどうですか?
盛り上がってますね。毎年、我々は2つの*1)クリティカル・マスがあります。1つは”the car free day”(9/22)もう1つはEarth’s Day(4/22)です。最大のクリティカル・マスはおよそ8万人のサイクリストが集まります。自転車コミュニティは今力強いですね。もちろんメッセンジャーもそのコミュニティも。
Bagaboo_06

ブダペストには2、3のメッセンジャーフレンドリーな自転車ショップと2、3のメッセンジャーが気軽に行けるパブがあります。それとメッセンジャーコミュニティのためのハンガリー人用のウェブサイト(www.alleycat.hu)があります。

町には結構アーリーキャッツがいますね。しかし、ここハンガリーでは、ブダペストだけに自転車メッセンジャーコミュニティがあります。ハンガリーにはブタペストのよう大きな街が他にないことからか、ブタペスト以外ではほとんどメッセンジャーはいないです。ブダペストには約200人のメッセンジャーが働いています。そして4、5社のメッセンジャー会社があり、ほとんどのメッセンジャーがそれらの会社に属しています。

*1)クリティカル・マス[Critical Mass]
1992年、サンフランシスコで始めた自転車愛好家による活動。
自動車中心の交通社会に対し、交通事故や環境問題を訴えながら車道を走り、車だけのモノではないことをアピールする活動。参加自由・解散自由なライド。日本では1997年8月に京都で始まり、現在では世界100カ国以上の国々で行われており、その国ごとに独自の活動へと進化している。

― ハンガリーでは自転車関連のイベントは盛んですか?
確かに、毎年の大きなクリティカルマスは、まとめていくのが大変ですよね。そこで我々は自転車に関連するハンドメイドブランドを集めた小さなグループを形成し、活動をしています。“bicycle-art-design”という名で年に2、3回程度ファッションショーをやっています。新しいコレクションの発表で我々の友人をモデルとして起用したり、皆の自転車をショーで使います。
いくつか写真があるので参考までに(http://bicycle-art-design.hu)
ハンガリー語で申し訳ないけど、楽しめると思います(笑)

Bagaboo_07
― 海外からみた日本の自転車(メッセンジャー)カルチャーはどう思いますか?

まだ我々は日本のメッセンジャーカルチャーについてそれほど知りません。日本では競輪レースがあり特別なトラックバイクやギアがある事は知ってます。ハンガリーの自転車乗り(特にメッセンジャー)にはちょっと高いです。
日本では道路の名前が無かったり、番地なども標識が無かったり、いろいろと混在していると何かの記事で読みました。日本でのメッセンジャーの仕事は本当に大変なんだろうなと思います。

― 今後の目標、目指す所を教えてください

Bagabooはこれからも小さなメーカーでやっていきたいです。あまり大きく拡大はしたくないですね。我々はいつまでもメッセンジャー、通勤者、バイカーにカスタムハンドメイドのメッセンジャーバッグを作り続けたいです。アメリカでも販売されることになりました。でも2、3のセレクトショップだけでそんなに多くないです。今はこのプロジェクトのために動いています。

― 最後に、日本のbagabooファンにメッセージを
日本の皆さんには本当に感謝します。我々にとって最も重要なユーザーです。
ヨーロッパとは異なり、日本はとても特別なマーケットであると思います。しかも我々のバッグが日本で人気があることが本当にうれしいです。

― Thank you Tamas !!
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Tamasが一番最初に作ったメッセンジャーバッグ

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― まずはメッセンジャーを始めたきっかけを聞かせて下さい
学生の頃、IT(インフォメーションテクノロジー)を勉強していました。で最後の学期の時に、ブダペスト(ハンガリーの首都)へ引っ越して、仕事を見つける必要が出てきまして。常に自転車に乗るのが好きで、バイクメッセンジャーとして働くのが自分に合っていると思いました。単位をとるまで、1日に4時間働きました。 その後、フルタイム(8時間)でメッセンジャーをやり始めました。
― メッセンジャーバッグを作り始めたきっかけは?
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メッセンジャー時代のTamas
メッセンジャー業務を始めたとき、いいバッグがないか探してたんですよね。たまたま私の母は裁縫職だったので、自宅にいくつかミシンあったんですよ。
であればとバックル、材料、ストラップ、等を探して、メッセンジャーバッグメーカーのウェブサイトなどもいろいろと調べました。それから自宅のミシンを使って最初のメッセンジャーバッグを作り上げました。2つ目は私のバッグをすごく気に入ってくれてた同級生に作ってあげました。
そうだなぁ。バッグを作り始めた理由としては、斬新なもので本当にユニークなバッグが欲しかったってことかな。

― バッグを作るにあたって、影響を受けたバッグ又は人物はありますか?

私はメッセンジャーバッグが非常に好きでした。固定ギアバイクのように、バッグはメッセンジャー人生の一部なんですよ。非常に快適で、タフでなければらなず、その他いろいろな機能性を1つに詰め込まれた、メッセンジャーという特別な仕事のために作られたバッグを持つという事(アイデア)が私は大好きでしたね。
最初のものを設計する前に、有名なブランドのウェブサイト(Chrome、Pac Designs、Timbuk2)をチェックしていました。でも我々がワルシャワのECMC2004へ行くまでは、実物を全く見た事がなかったんですが。

― ブランド名であるbagabooの由来は?
“BAGABOO”は造語です。英語では”BUGABOO”とはゴーストの意味を持っています。そこから”U”を”A”に1字変更して”BAGABOO”としました。 “BAG”という言葉を入れることで我々がバッグメーカーであるという意味を含んでいます。
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― 縫製や刺繍が非常に綺麗ですがどのような体制で作られているのですか?また何かハンドメイドへの拘りなどありますか?
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我々は、刺繍作業2つの技術を使用します。小さく詳細なデザインであるとき、デザインを作るために刺繍機械を使います。大きいパーツはデザインを描いて、コーデュラ(素材)をカットします。それからバッグに縫い付けていきます。
これは、アップリケ(縫い付け飾り・はめ細工)というテクニックです。
バッグを縫うためには、我々は厚い素材を縫うために設計されたJUKI(日本の工業用ミシンメーカー)やDurkopp Adler(ドイツの工業用ミシンメーカー)のミシンを使います。これって上質を意味すると思います。

― 他のメッセンジャーバッグブランドとの違いは?

我々はちょっと不思議なポジションですよね。ハンガリー(ヨーロッパ)で作っていますからね。大部分のメッセンジャーバッグメーカーは、アメリカですよね。BagjackとBagabooだけが会社として唯一ヨーロッパメーカーですよね。我々は小さなメーカーですがこれを変えたくはありません。大量生産はできないけれど、何色からも選べたりいくつものオプションがあったり、とBagabooのバッグをスーパーカスタマイズできるようにしています。Bagabooはこのやり方がいいと皆にそう思ってもらえると嬉しいです。

― バッグを制作する上で、メッセンジャーならではの利点はありますか?また、それはどういった部分に反映されているのでしょうか?

前職がメッセンジャーだったので、どんな機能、特徴、ポケット、ストラップが良いか、機能的なメッセンジャーバッグの上で必要か、私が正確にわかっていること。また、我々は常にユーザーの提案やフィードバックを聞いています。

― ハンガリーの自転車(メッセンジャー)カルチャーはどうですか?
盛り上がってますね。毎年、我々は2つの*1)クリティカル・マスがあります。1つは”the car free day”(9/22)もう1つはEarth’s Day(4/22)です。最大のクリティカル・マスはおよそ8万人のサイクリストが集まります。自転車コミュニティは今力強いですね。もちろんメッセンジャーもそのコミュニティも。
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ブダペストには2、3のメッセンジャーフレンドリーな自転車ショップと2、3のメッセンジャーが気軽に行けるパブがあります。それとメッセンジャーコミュニティのためのハンガリー人用のウェブサイト(www.alleycat.hu)があります。

町には結構アーリーキャッツがいますね。しかし、ここハンガリーでは、ブダペストだけに自転車メッセンジャーコミュニティがあります。ハンガリーにはブタペストのよう大きな街が他にないことからか、ブタペスト以外ではほとんどメッセンジャーはいないです。ブダペストには約200人のメッセンジャーが働いています。そして4、5社のメッセンジャー会社があり、ほとんどのメッセンジャーがそれらの会社に属しています。

*1)クリティカル・マス[Critical Mass]
1992年、サンフランシスコで始めた自転車愛好家による活動。
自動車中心の交通社会に対し、交通事故や環境問題を訴えながら車道を走り、車だけのモノではないことをアピールする活動。参加自由・解散自由なライド。日本では1997年8月に京都で始まり、現在では世界100カ国以上の国々で行われており、その国ごとに独自の活動へと進化している。

― ハンガリーでは自転車関連のイベントは盛んですか?
確かに、毎年の大きなクリティカルマスは、まとめていくのが大変ですよね。そこで我々は自転車に関連するハンドメイドブランドを集めた小さなグループを形成し、活動をしています。“bicycle-art-design”という名で年に2、3回程度ファッションショーをやっています。新しいコレクションの発表で我々の友人をモデルとして起用したり、皆の自転車をショーで使います。
いくつか写真があるので参考までに(http://bicycle-art-design.hu)
ハンガリー語で申し訳ないけど、楽しめると思います(笑)

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― 海外からみた日本の自転車(メッセンジャー)カルチャーはどう思いますか?

まだ我々は日本のメッセンジャーカルチャーについてそれほど知りません。日本では競輪レースがあり特別なトラックバイクやギアがある事は知ってます。ハンガリーの自転車乗り(特にメッセンジャー)にはちょっと高いです。
日本では道路の名前が無かったり、番地なども標識が無かったり、いろいろと混在していると何かの記事で読みました。日本でのメッセンジャーの仕事は本当に大変なんだろうなと思います。

― 今後の目標、目指す所を教えてください

Bagabooはこれからも小さなメーカーでやっていきたいです。あまり大きく拡大はしたくないですね。我々はいつまでもメッセンジャー、通勤者、バイカーにカスタムハンドメイドのメッセンジャーバッグを作り続けたいです。アメリカでも販売されることになりました。でも2、3のセレクトショップだけでそんなに多くないです。今はこのプロジェクトのために動いています。

― 最後に、日本のbagabooファンにメッセージを
日本の皆さんには本当に感謝します。我々にとって最も重要なユーザーです。
ヨーロッパとは異なり、日本はとても特別なマーケットであると思います。しかも我々のバッグが日本で人気があることが本当にうれしいです。

― Thank you Tamas !!
Bagaboo_08
Tamasが一番最初に作ったメッセンジャーバッグ

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